東京農工大学 農学部 獣医内科学教室
教授・農学博士 : 岩崎 利郎 先生
シャンプーを用いた犬の日常的な皮膚や被毛の洗浄の目的は、(1) 皮膚、被毛の汚れを落として清潔にし (2) 被毛に光沢を与え (3) 皮膚を保湿し (4) 皮膚や被毛の余分なにおいを取る、ということにある。皮膚、被毛の汚れは皮膚に対して刺激を与え、この刺激により犬は痒みを覚えて、自傷性の皮膚疾患が起きる恐れがある。また、犬にとてもよくみられるアトピーをはじめとするアレルギー性皮膚疾患にかかっているときには、とくにアレルゲンとなっている花粉やハウスダストマイトなどを皮膚から体の中に侵入させないように洗い流すことができる。この場合にシャンプーのもっとも大切な役割である皮膚、被毛の汚れを取る、という作用に対しては通常界面活性剤ないしは石鹸成分が用いられる。
一方、皮膚にはバリアー機能が存在し、外界からの刺激やアレルゲンから皮膚を保護している。皮膚のバリアー機能は皮膚の角質あるいは脂腺由来の脂成分から構成されている。バリアーが破壊されると皮膚が乾燥し、皮膚へのわずかな刺激でも動物に痒みや痛みを感じさせ、必ずしもアレルギー反応でなくても自傷を起こして湿疹や脱毛の原因となる。したがって、シャンプーにあたっては皮膚の脂成分を取り過ぎないような十分な配慮が必要である。具体的には、一番目に洗浄の回数に気をつけることである。脂成分は2、3日でおよそもとの状態に復するため、リンス作用のない洗浄剤を用いたときにはこれ以上頻繁にシャンプーをしない方がよい。二番目にシャンプーのあとにリンスを用いるのもよい。三番目に界面活性剤や石鹸成分を含まない洗浄剤を用いることも皮膚の弱い犬への日常のシャンプーあるいはアレルギー体質の犬には有用であろう。
以上、シャンプーをすることは人と同様にスキンケアであり、においをとるだけでなく皮膚にとって様々な利点があり、そのためには皮膚のバリア機能に十分配慮したシャンプーをする必要があるだろう。
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東京農工大学付属家畜病院研修医、獣医学博士 : 関口 麻衣子 先生
からだのほとんどをたくさんの毛に被われているペットにとって、毛の少ない、または短い部分は、一般的に皮膚トラブルが最も起こりやすいところです。たとえば、足先、口周り、眼の周り、股からお尻、おなか、耳などは、乾燥、紫外線、熱、寒冷、外部からの刺激(例:薬、化学物質、アレルゲン、病原体)といった影響を受けやすい部分です。特に口周りや眼の周り、股からお尻にかけては、唾液、涙、排泄物などで皮膚表面の湿度が他の部位よりも高く、細菌などの病原体が増えやすい環境になっています。また指の間、口周りのシワ、耳の中、脇や股などは、通気性が悪いうえに常にこすれあう部分ですから、皮膚の弱い体質の犬(例:アトピー、脂漏症)、毛が短くて硬い犬(例:スムースのダックスフンドやチワワ、ミニチュアピンシェル)、深いシワのできる犬(例:イングリッシュブルドッグ、フレンチブルドッグ、)などでは、やはり病原体の増殖や摩擦によるトラブルが起こりやすいと考えられます。こういったトラブルを予防し、皮膚環境を健やかに保つためには、日ごろのスキンケアを心がける必要があります。ただし、このような皮膚トラブルの起こりやすい部分は、刺激にも敏感です。ご自宅で簡単に、そして安心してこまめなスキンケアを行うために、安全で刺激の少ないモンシュシュのようなシャンプーは理想的だと思います。
東京都杉並区高円寺南4ー2ー8
TEL:03-5306-5122
院長 : 田中 稔 先生
大阪府箕面市粟生間谷東5丁目10-26
TEL:0727-49-5225
院長 : 藤村 正人 先生
【症例1】
柴犬 雌 2000年3月生
皮内反応試験および血清特異IgE検査・ダニ誘発試験および臨床症状からアトピー性皮膚炎と診断する。重度の痒み・皮膚症状からステロイド剤の離脱は困難なため、ハウスダストマイトによる感作療法を実施し、50%制御可能となる。
症例は合併症として多くの低アレルギー食に反応した。また他医院での抗生剤の使用過多により耳内感染にMRSA、また、皮膚膿皮症に対しても、多剤耐性菌が培養試験で確認された。
このため、シャンプー療法を重視したが、食物有害反応と同様に動物病院で使用可能な抗菌シャンプー・保湿シャンプーにも反応しだした。当初は反応は確認されなかったが、徐々に反応し、使用後の皮膚の発赤が顕著となった。このため、低アレルギー性シャンプーとしてモンシュシュを使用したが、現在において上記の他種シャンプーのような反応は確認されていない。
【症例2】
コーギー 雄 2001年5月生
皮内反応試験および血清特異IgE検査・ダニ湯初試験および臨床試験からハウスダストマイトによる減感作療法を実施し、70%制御可能となる。この症例も転院前における抗生剤の乱用により皮膚膿皮症にたいしてセファロスポリン・ニューキノロン・クラリスロマイシンが耐性となった。このため、皮膚の2次感染の維持にはシャンプー療法を重視すべきであるが、動物病院で使用可能な抗菌シャンプー2種類を試した。使用数か月は問題なかったが、この症例も徐々に反応しだし、使用後の発赤と痒みが顕著となった。明らかにシャンプー内に含まれている成分に対する過剰反応があると考えられた。このため、低アレルギー性シャンプーとしてモンシュシュを使用したが、この数か月間、問題はない。
【症例3】
ボストンテリア 雌 2005年9月生
皮内反応試験および血清特異IgE検査・ダニ誘発試験および臨床症状からハウスダストマイトによるアトピー性皮膚炎と診断する。
ハウスダストマイトによる減感作療法を実施し、90%制御可能となる。皮膚の2次感染の制御可能として動物病院で使用可能な抗菌シャンプーを試したが使用直後に痒みが出る。モンシュシュに変更したところ、痒みは確認されていない。
【症例4】
ミニチュアシュナイザー 雌 2005年2月生
皮内反応試験および血清特異IgE検査および臨床症状からハウスダストマイトによるアトピー性皮膚炎と診断する。ダニに対する環境改善で臨床症状はやや改善する。抗菌および抗真菌シャンプーで痒みが発現するのでモンシュシュに変更したところ、痒みは確認されていない。
【症例5】
ジャーマンシェパード 雌 2000年2月生
皮内反応試験および血清特異IgE検査で全て陰性。除去食試験による反応から食物有害反応よる皮膚障害と診断する。毛包虫に対して治療に反応する。開腹手術により卵胞嚢腫確認、避妊手術後に体幹の脱毛は著しく改善する。その後、食物有害反応の制御は困難でリンパ球試験により、遅延型アレルギーの存在が示唆された。MD遺伝子検査は陰性であったが、イベルメクチンで元気が著しく無くなる。抗菌シャンプーおよび保湿シャンプー、人用のマラセチアシャンプーなどありとあらゆるシャンプーにも反応し、モンシュシュに変更したが同様に痒みと発赤が確認された。その後の追跡調査でモンシュシュは使用可能であることが判った。
まとめ、動物病医院で使用する治療用のシャンプーはほとんどのアレルギー体質の犬に問題はないが、上記の症例は特殊ではあるが、シャンプー内の何らかの成分に反応したものと推測された。低アレルギーシャンプー・モンシュシュは、これらの症例5例中4例に異常反応は認められたが、1例では異常が認められた(短期のみ)。
兵庫県神戸市東灘区本山北町3-3-22-101
TEL:078-452-0301 HP:http://www.lionanimalhospital.com
院長 : 山田 苗穂子 先生
千葉県佐倉市石川300
TEL:043-486-0717 HP:http://dr-nyan.com
院長 : 若山 正之 先生
老齢管理に於いて、皮膚の健康を維持することはとても大切です。特に寝たきりになると、排泄で汚れた下半身が皮膚炎になりやすく、床擦れも起こりやすくなります。
皮膚の洗浄を風呂場で行っても良いのですが、「寝たきり」の場合には難しいこともあります。そのような時には、シャワーを使用するよりも大きな洗面器やベビーバスにぬるま湯を汲み「モンシュシュ入浴剤」を使い洗う方法をお勧めしています。洗面器やベビーバスなら、寝床に近い場所でも洗浄できますし、呼吸器障害を持つ場合には浴室内に水蒸気が立ち込めると呼吸が辛くなることがあるからです。
「モンシュシュ入浴剤」を溶かしたぬるま湯の中に入れ、ゆっくり皮膚の汚れを落とします。湯に浸かることで汚れが浮き上がってきますので、皮膚をゴシゴシ擦ったりせず指の腹で優しく触れるように洗います。またすすぎを必要としませんので、吸水性の高いタオルで充分に水気を吸収させた後、毛を乾かします。
小さな汚れは「モモンシュシュ美容液」を汚れの部分にすり込み、ぬるま湯で流してもかまいません。またスプレー容器や洗瓶に「モンシュシュ入浴剤」の溶け込んだお湯を入れ、かけながら洗ってもかまいません。体の下にペットシーツを敷いて、体から流れ落ちる水を吸わせながら行うと、後処置が楽になります。
「モンシュシュ入浴剤、モンシュシュ美容液」は、シャンプーの手間を省くことが可能でありながら、高い洗浄力を持ち皮膚の健康を維持できるアイテムとしてとても良い製品です!もちろん健康な子を洗うのにも、とても良い製品と思っています!